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吹田ジュニアオケブログ

2020.08.15

8月の集中レッスン

ココロの距離を縮めた熱い夏

 吹田ジュニアオーケストラでは、コロナ禍で短くなった貴重な夏休みの3日間、元気に集まって練習に励みました。
 お盆前の盛夏、子どもたちも大変でしたが、保護者の方々もよくお付き合いくださいました。運営側はできるだけ良い環境を整えても、数ある習い事の中から吹田Jr.Ocheを選択し連れて来てくださるのは、保護者の方々のご理解とご協力あってのこと…本当にありがたい限りです。小さな子どもたちはまだ分からないかもしれませんが、このことは当たり前ではなくとても恵まれたこと。いつか彼・彼女らが大人になった時、改めてこのことを感じ、ほんの一瞬でも親に感謝する時間を持ってくれたら…と思います。
 教育の成果は、この時代にあってその場ですぐに結果を求められるものもあれば、もっと間接的かつ長期間で捉えるものがあってもいいのではないか、と。吹田Jr.Ocheを立ち上げる際に真っ先に理念としてあったのは『多感な時期にいる子どもたちが、人生の比較的初期の段階で良い大人に出逢うこと』でした。
 たかが音楽(されど音楽)、約300年程前から日本以外で書かれた歌詞もほとんどない音楽…そこに美意識や価値を見出し、これまで自分たちがプロの音楽家として身に付けてきたノウハウを、指導者たちが必死になって次の世代に一所懸命教え伝える…こういう大人たちの真摯な姿はいつまでも子どもたちの心に残り続け、子どもたちがこれから出逢う大人や仲間を信じて認め合い、様々な困難に出遭っても心の糧となって強く生きる力に変えていけるのではないかと思います。自分の人生に「心を寄せるもの」がある…吹田Jr.Ocheにいる子どもたち、これから来る子どもたちがそういう経験を積み重ねてくれることを切に願っています。

 さて、その8/10~8/12の暑くて熱い3日間をご指導くださったのは、吹田市在住のヴァイオリニスト:金関 環先生と2回目にもご指導いただいた井野邉 大輔先生です。金関先生には小学生クラスと全体練習を、井野邉先生には中高生クラスをご担当していただきました。
 金関先生…吹田Jr.Oche4回目にして、満を持してのご登場でしょうか!特に小さな子どもたちには非常に人気のある先生で、すぐに子どもの遊び相手になれる天真爛漫(?!)な不思議な魅力をお持ちの先生です。L.モーツァルト:おもちゃのシンフォニー1楽章では、fからpへのスムーズな移行に子どもたちに(ある意味)身近な分かりやすい言葉を選びユーモアを交えながら話します。
ティラノザウルスが次の瞬間にスミレの花に変わります。そしてまた、ティラノザウルスに戻ります。」
伝わったのか否か、ちゃんと強弱が付いている!!!
難しいニュアンスの付け方でも「もっとワクワクする感じがみんなの楽器から聴こえないかな?」これをヴァイオリンに通訳すると「もっと軽く、こんな感じ!」と弾いてみせる。「四分音符と楽譜には書いてあるけれど、音楽家たちはなぜかそう弾かない」(←もちろん先生たちには理由は分かっています)「もっとワクワク感が欲しいから、少しずつ前に出てきて~」「とっても上手だけど真面目すぎ(笑)もっと遊んで!」「日本語のカッコウではなくクックゥ。もう少し柔らかい。」ご自身が歌ってみてニュアンスやリズム感を上手く伝え、子どもたちを無理なく導きます。
 

 かたや井野邉先生は、中高生クラスご担当だけあって理由をしっかり述べられます。モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク第1楽章では「ここはヴィオラが八分音符を刻んでいるから、みんなの耳をヴィオラに預けて。モーツァルトのような古典の作品は八分音符の時間に制御されていることが多いから、自分の耳を八分音符に寄せて表情を付けて。」楽譜の音符を追いすぎると、あるいは、テンポを刻むパートの音を聴きすぎると自分の表現が乏しくなってしまう…クラシック音楽は各声部が独立して役割を持っているため、緻密な作業の集積や絶妙なバランスの上で成り立っている音楽ということが指導からもよく分かります。クラシック音楽が難しいと言われる所以はこういうところにもあるのかもしれません。聴衆はもちろん発せられる音楽をただ享受するだけでもいいですが、各パートの役割を理解し、その箇所が持つ微細な表情を積極的・能動的に聴き取りにいくことで、より深く作曲家の言わんとするところが理解できるのかもしれません。理屈だけでは音楽がつまらなくなり、歌うことだけでは足元が脆弱。音楽的に歌うこと、理由を理解すること、この両方が学べて身につけられるといいですね。

 夏の3日間、6月末からどんなお友だちがいるのか何となく分かり始めたこの時期に、練習最初の5分間をいただき簡単なワークショップを行いました。
小学生クラスではL.モーツァルト:おもちゃのシン
ォニーの各楽章について、みんなそれぞれどんなイメージを持っているのか2組に分けて話し合いました。中高生クラスではウォーロック:カプリオール組曲の各舞曲について調べました。小学生クラスではいずれも6年生のお姉さんが主体になって、グループのメンバーの意見を聞き出してメモをとり発表までしてくれました。1つのグループでは、曲から感じる気分や時間帯、場所などイメージ別に色分けしてくれました。もう1つのグループでは1楽章と2楽章が原因と結果になっていて、3楽章で転じていることからお話がまだ展開しそうな期待感が持てますね。中高生クラスでは、やはり高3のお姉さんが纏めて発表原稿まで作って配ってくれました。




コロナ禍でフィジカルな距離を保ちつつも、仲間と意識を共有しあい1つの音楽を奏でることは美しいことですね。こんな時間がずっと続きますように。

(左)毎日新聞社社会部教育担当の三角さまが吹田ジュニアオーケストラの取材に来てくださいました。
  ハッキリとご挨拶くださり、子どもたちに寄り添いとても丁寧に取材してくださいました。
  練習も最後までご覧くださり、暑い中本当にありがとうございました。
(中央)ココロの距離を少しずつ縮め、休憩時間にSくんのトランプのマジックで盛り上がる小学生クラス
(右)そのトランプマジックに1番不思議がる井野邉先生!お二人ともいい笑顔です。

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